看護師必見!難病患者を支えるために知っておきたいこと

難病を抱えている当事者の声を紹介

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当事者の声を聞く

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不安感は拭えない

現在、医療費助成の対象となる指定難病は333疾患となり、以前に比べて大幅に拡大されました。しかし、国内で研究されているものでもまだ500疾患以上あるといわれており、病名や症状も多岐に渡ります。指定難病の枠が拡大されたことによって「今後の生活に希望が出てきた」といった声も多く挙がっています。しかし、その一方で既に対象となっている人からは「患者数の増加により助成が打ち切られるのではないか」といった不安の声も届いています。限られた財源の中で対象者の線引きをするのは難しいですが、あくまで難病は根治できない病気であるといった視点を忘れてはいけません。

一見だと分からない

難病は患者数が少なく、当事者かどうか見た目では判断しにくいケースもあります。例えば、突然全身が激しい痛みに襲われる「線維筋痛症」といった難病があります。突然筋肉が切り裂かれ骨が砕かれるような痛みに襲われるもので、日常生活に大きな支障をきたします。しかし、外見だけでは分からないため、公共交通機関に乗っている時に症状が出た際に優先席しかない状態でやむを得ず座ると、周囲からは「なぜ健康な人が座っているのか」といった目で見られてしまいます。そのため、「周囲に分かってもらえないのが苦しい」といった声が多く挙がっています。

困っていること

当事者が困っていることとしてまず挙げられるのが「病名が知られていない」点です。聞いたことのない病名だと、周囲に理解してもらうために最初から説明しなければなりません。また、「病気に関する誤解が多い」ことも問題点として挙げられます。難病という言葉そのものにネガティブなイメージを持ち、「自分に感染するのではないか」と思い込んでいる人も少なくありません。その他には、「周囲の目が気になる」といった声も多く挙がっています。例えば、ステロイドの副作用で顔が丸くなり脂肪がつきやすい状態の人が「難病のくせに太っているし元気そう」と心ない言葉を吐かれたという例もあります。また、たん吸引をする際、「周囲に不快感を与えないように我慢してしまう」といった声も多く挙がっています。

心に留めておこう

難病患者の悩みは様々です。当事者に困難を与えているのは難病そのものではなく、社会の無理解や偏見といえるかもしれません。また、今以上に難病患者を支える制度の充実化も必要でしょう。看護に携わる立場なのであれば特に、見た目では分からなくても日常生活に困難を抱える人がいることを心に留めておきましょう。

難病患者の看護に関心のある方へ