看護師必見!難病患者を支えるために知っておきたいこと

難病であるパーキンソン病患者への看護

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パーキンソン病患者への看護

パーキンソン病患者への看護

パーキンソン病とは

パーキンソン病は中脳の黒質から分泌されるドーパミンの量が減少し、運動機能に障害が起きる進行性の難病です。ドーパミンが減少する原因は諸説ありますが明確な発症のきっかけは解明されていません。症状は「運動症状」と「非運動症状」の2つに分類できます。運動症状は主に、振戦、筋固縮、無動、姿勢反射障害の4つで、これがパーキンソン病の主な症状といわれています。非運動症状は自律神経障害、精神症状、睡眠障害などが挙げられます。
パーキンソン病患者を看護する際は、身体機能の低下に伴う日常生活の援助や精神的ケアがポイントとなります。体調の変化が激しいので、患者ごとの特徴を把握することも大切です。

日常生活の援助

まず、身体機能の低下により歩行が困難になります。すくみ足、突進歩行、小刻み歩行などになりやすく転倒のリスクがあるため、「手がかり」を活用してください。歩行の際に「いち、に、さん~」と声がけしたり、床に線を引いて目印をつけたりして、聴覚や視覚の手がかりを作ります。また、前かがみになりやすいので、姿勢をキープするようにサポートします。パーキンソン病患者は嚥下障害を抱えているケースも多いです。誤嚥性肺炎などの合併症のリスクがあるため、安全に経口摂取を継続できるようにします。食事は飲み込みやすい形にする、とろみをつけるなどの工夫が求められます。食事の際の姿勢にも注意して、口内を清潔に保つことも重要です。身体機能が著しく低下している患者は寝たきりの状態なので、褥瘡ケアも求められます。褥瘡とは、長時間同じ姿勢で一定の箇所が圧迫されることで起こる皮膚障害です。褥瘡防止のポイントとなるのが「体位変換」「栄養管理」「スキンケア」の3点です。

精神的ケア

進行性の難病であるため、患者は常に不安を抱えています。もしかすると、絶望感に苛まれているかもしれません。そこで重要なのが、パーキンソン病について本人によく理解してもらうことです。病気に関する説明をする際は、不安を取り除くように丁寧に伝えるようにしてください。身近な人に話を聞いてもらうだけでも心が軽くなるかもしれません。看護師として接する際は寄り添う気持ちを忘れないようにしましょう。

包括的な看護ケア

患者を支えるためには包括的な看護ケアが求められます。症状に合わせて適切な看護を提供し、日常生活の安全の確保や自立の援助を行います。また、介護者が疲弊してしまわないように周囲へのケアも必要です。介護者が疲弊している状態だと、患者も安心して日常生活を送ることができません。

難病患者の看護に関心のある方へ