看護師必見!難病患者を支えるために知っておきたいこと
難病相談支援センターは難病を抱える人が安心して暮らしていけるように患者やその家族に対して相談・助言を行う施設で、各都道府県・政令指定都市に設置されています。地域の実情などに応じて細かい事業内容は異なりますが、難病相談支援センターで受けられる主な支援は「相談支援」と「就労支援」の2つです。
難病相談支援センターには看護師や保健師、社会福祉士の資格を持つ相談支援員が在籍しています。「療養や日常生活に関する相談」「医療機関や入所施設に関する相談」「公的手続きや各種支援制度・医療費助成に関する相談」を受け付けており、地域の福祉施設や医療機関などと連携しながら必要な情報を提供します。中には同じ疾患やいずれかの難病を抱えている「難病ピア・サポーター」が在籍しているセンターもあり、同じ症状に悩む人と交流して不安や孤立感を解消する取り組みを行っています。また、療養生活における当事者目線でのアドバイスを受けられるといったメリットもあります。
職業を直接斡旋しているわけではありませんが、労働意欲のある人が適切な就労支援サービスを受けられるようにサポートしています。ハローワーク、就労移行支援事業所、障害者職業センターなどと連携して情報を提供します。特に、ハローワークに在籍している難病患者就職サポーターとは密に連携しており、必要に応じてハローワークへの同行や手続きの支援などを行っています。また、就労移行支援事業所には難病に関する知識を有しているスタッフが在籍し、積極的に支援しているところも多いです。それぞれの症状に特化した事業所があるので気になる人は検索してみましょう。
難病相談支援センターの対象者は難病を抱える人やその家族、支援者です。直接会って面談する際には予約が必要になるので、事前に電話などで問い合わせる必要があります。
難病相談支援センターと似ているサービスとして、「難病情報センター」があります。難病情報センターは施設ではなくインターネット上のサービスの名称で、難病の解説や治療指針、医療費助成に関する情報が掲載されています。厚生労働省の指導を基に公益財団法人が運営しており、難病に関する情報を調べることができます。
難病は長期間の治療が必要なため、様々な支援制度が設けられています。しかし、その仕組みは分かりやすいとはいえないため、支援制度のことを知らないまま過ごしてしまうリスクがあります。難病に関する情報が必要な場合は、まずは難病相談支援センターへ問い合わせることが重要となります。